- 2009.06.15
- CASE COMPANY
- 情報化社会に適応した、次世代型オフィス / チームラボ株式会社
- “オモロ”検索エンジン「SAGOOL」や次世代動画検索サービス「サグールテレビ」などで話題のチームラボ株式会社。その活動は、トータルデジタルメディアプロデュースからWebデザイン、IT・戦略コンサルティングまでと幅広い。さらに昨年12月にパリのルーブル宮 国立装飾美術館でおこなわれた日仏交流150周年記念「感性kansei Japan Design Exhibition(日本のデザイン展)」では、会場メインホールの空間映像をプロデュースするなど、活躍の舞台は世界へと広がりつつある。
そんなチームラボが掲げるオフィスコンセプトは、情報化社会に適応した次世代型オフィス。一見個性的に見えるオフィスも、すべて働きやすさを追求した結果だと言う。
情報化社会によって、働き方はどう変わったか。そしてオフィスはどう変わるべきなのか。チームラボのオフィスづくりをヒントに、次世代のオフィスのあり方を探った。

- 情報化社会による働き方の変化
- 情報化社会によって大きく変わったこと。それは、会社の階層構造が必要なくなったということだ。「情報化社会は進歩が激しく、とても複雑。WEBテクノロジーひとつをとっても、インターフェースのデータベースからサーチエンジンのアルゴリズム数式、インフラの技術まで全てを理解している人は皆無だと思います。今までの会社では、分からないことは上司や先輩に聞けばたいてい解決できていたかも知れない。しかし情報化社会では、それぞれのスペシャリストに聞く、というのが一番の解決方法になってくる。つまり、会社はフラットな構造になったんです。」と、チームラボ代表の猪子寿之さん。
当然、働き方も変わってくる。知識と経験豊富な上司が部下を率いるのではなく、プロジェクトによってスペシャリティーが違う人間が集まって、ともに働いていく。それが、情報化社会の新しい働き方なのだ。

- オフィスの工夫
- 働き方が変われば、オフィスが変わるのも当然の結果。チームラボのオフィスの特徴は、「可変的で有機的なオフィス」「フラットなオフィス」「偶然性のあるオフィス」「五感を刺激するオフィス」、の4つにある。
「可変的で有機的なオフィス」であるために、ミーティングスペースの机はすべてキャスター付き。棚も簡単に取り外すことができ、レイアウトは状況により自由に変えることができる。社員自体も、プロジェクトごとに席替えをするなど常に流動的だ。
「フラットなオフィス」の実現には、ホワイトボードの代わりとして使用する“メモデスク”が象徴的と言えるだろう。今まで会議でよく使われていた“ホワイトボード”は、書く人と見る人が明確に分かれたツール。誰かに伝えたり、教えたりするのがおもな役割だ。それに対して“メモデスク”は、共に考えるツール。デスクの上に紙が貼られており、メンバーは自由に意見を交わしながら、その紙にアイデアを書き込んでいく。
「偶然性のあるオフィス」は、プロジェクトをまたいだ情報交換に最適だ。プリンターやコーヒーを淹れる場所など、“待つ”空間を一か所に集める。トイレへの動線も、そこを必ず通るようにする。するとそこには人が集まり、プロジェクト関係なくフランクな会話が生まれる。
最後に、「五感を刺激するオフィス」。赤や黄、青といった刺激的な色を壁面や床に使用することで、脳の働きを活発化している。ただし、それらの色は集中力を下げるという側面もあるので、執務スペースに着席すると一切見えないようにしてある点も、大きなポイントだ。

- チームラボらしさ。
- スペシャリティーの違う人間が集まり、フラットな関係でともに働くということ。組織はプロジェクト主体で生成され、メンバーはプロジェクトの進行具合によっても変わっていく。座席もプロジェクトごとに集まっているため、その都度変わる。毎週、会社のどこかしらで席替えが行われている状態という。
そのような環境の中で、専門性を高め続けられる人、良いものは良いと認められる人、そして共に考えられる人。そういう人たちが、チームラボに集まり、唯一無二の製品やサービスをうみだしている。

- 特徴的な社内制度
- 社員がやりたいことを実現するために、「ラボラボ制度」というものがある。制度と言っても堅苦しいものではなく、「自分でサービスを立ち上げたい」「何か新しいものをつくってみたい」という社員のためにサーバー環境を提供するというもの。チームラボの社員であれば、誰でも対象となる。
基本的には、制度もルールも必要ない。それが、チームラボの考えだ。何かを“制度”にした瞬間、それはやらなければいけない“仕事”となり、途端につまらないものへと変わっていく。しかし、仕事が最大の遊びになればいい、とチームラボでは考える。だからこそ、社員がやってみたいことを尊重し、最大限応援するのだ。
- 「個性的なオフィスを作ろうなんてまったく思っていない。チームラボで働く人にとって最適な場をつくったら、結果的にこうなった。」とチームラボ代表の猪子寿之さんは語った。つまりこれは、今の時代に合った普通のオフィスなんだ、と。
言われてみれば確かに理に適っているし、頷ける部分も多い。何より社員がごく自然にオフィスに溶け込み、楽しそうに働いているのが印象的だった。
さて、あなたの会社のオフィスは、果たして本当に今の働き方に合っているだろうか。もしどこかに違和感をもったのなら、それは次世代型のオフィスへと、シフトする時なのかも知れない。
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代表 猪子 寿之氏

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