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  • 2010.01.13
  • CASE COMPANY
  • 最強の企画力で、新しい価値を創造する / オレンジ・アンド・パートナーズ
アカデミー賞外国語映画賞を受賞した「おくりびと」の脚本家、小山薫堂さん。作家としてのみならず、独自の感性を活かしてホテル顧問や商品開発・ロケーションプロデュースなども数多く手がけており、企業やメディアからもひっぱりだこの存在だ。今回取材にお邪魔したのは、その小山薫堂さんが代表を務める企画・プロデュース会社、オレンジ・アンド・パートナーズ。“ロケーションやプロダクツに新しい息吹を与える”新価値創造会社として、2006年に設立された。

オフィスは、東京・神谷町。オランダヒルズのすぐ隣にひときわ目立つオレンジ色の店舗がある。お店の名前は、“オレンジのバイテン”。おいしいオレンジジュースとパンを販売するお店だという。そう、この“オレンジのバイテン”こそが、オレンジ・アンド・パートナーズの会社の入り口。つまり受付が、“バイテン”を兼ねているということなのだ。さっそく、“バイテン”を通り、奥のオフィスへと案内される。オレンジ・アンド・パートナーズとは、いったいどんな会社なのだろうか。代表取締役副社長の軽部政治さんに、話を伺ってきた。


  • 企画とは、好きな人にバースデイプレゼントを選ぶようなもの
  • オレンジ・アンド・パートナーズの仕事は、クライアントの商品やホテル・レストランなどのロケーションに、新たな息吹を与える仕事。ブランディングやリノベーション、商品開発など内容は案件により異なるが、その根幹を支えるのは“企画力”ということになる。その企画力を鍛えるために、同社が実施しているのが社員間のサプライズ・バースデイ。軽部さん曰く、「企画とは、好きな人にバースデイプレゼントを選ぶようなもの。“企画”と言うとつい色々なひねりを加えがちだが、実はどれだけシンプルに想いを伝えられるかが大切なんです」とのこと。実際にサプライズ・バースデイを体験することが、企画の一番の訓練になるという訳だ。

    社員は15〜16名にものぼるから、サプライズも最低年15回以上。その内容は、時に壮大なプロジェクトにまで発展することもある。例えば、09年の小山薫堂さんへのサプライズ・バースデイ。舞台は同社がプロデュースに携わった山形県の「庄内映画村」。小山さんが教授を務める東北芸術工科大学・企画構想学科の学生や地元青年団の方々まで、総勢100名以上を巻き込んだ大掛かりなサプライズとなり、その模様は地元テレビ局のニュースにもなったほどだという。

    好きな人に、喜んでもらいたい。このピュアでシンプルな想いが、オレンジ・アンド・パートナーズの企画力の源となっている。
  • 企画とは、好きな人にバースデイプレゼントを選ぶようなもの
  • 受付は、“オレンジのバイテン”
  • そんな強い企画力を強みとするオレンジ・アンド・パートナーズが、オフィスに採り入れたのは、受付を“バイテン”にするという発想。このアイディアもまた、根底にあるのは「人に喜んでもらいたい」というシンプルな想いだ。「会社は受付嬢を雇うほどの規模でもないけれど、せっかく来て頂いたお客様に内線電話一本で対応するというのはあまりにも失礼じゃないか……。そこで生まれたアイディアが、“オレンジのバイテン”だったのです。」内容は、小山さんがパン好きということもありパンに決定。それから社名に“オレンジ”がつくことから、オレンジジュースを置くこととなった。近所で働く人がパンを買いに来ることもあれば、スーツを着た人が打ち合わせに訪れるときもある。“オレンジのバイテン”は、毎日たくさんの人が訪れる場所になっている。

    受付をパン屋にすることで、オフィスへの思わぬ波及効果もあった。まずは、コミュニケーションのきっかけになるということ。「受付がパン屋」という話題は多くの人の興味を引き、そこから会話がうまれることも多くある。しかし何よりの効果は、「オフィスに活気がうまれること」だと軽部さんはいう。「オフィスでも家でも、人が行き来する場所は人のエネルギーも一緒に入ってくる。それだけで、会社が元気になるんですよ」

    ビタミンカラーが元気に輝く“オレンジのバイテン”。今日も多くの人が、訪れている。
  • 受付は、“オレンジのバイテン”
  • 出会いは、一期一会
  • 現在オレンジ・アンド・パートナーズで働くスタッフは約15名。ラジオ局のディレクター、ITベンチャーの副社長、WEBデザイナー、経営コンサルタントなどなど、キャリアだけを見ても個性豊かな面々が集まっている。求人は一度も行ったことがないという同社だが、会社のインフォメールには、『一緒に働きたい』という内容のメールが日々送られてくるようだ。「基本的には、数も数なのでお会いできないことの方が多いんです。だけど時々、ふと目がとまり、『会ってみようか』となることもある。出会いって、結局一期一会だと思うんですよ。」

    そんな一期一会の出会いからチャンスをつかみ、仲間に加わったスタッフもいる。同社がプロデュースした大阪の「たこやきらぼ」で働くスタッフだ。大阪在住のそのスタッフは、大阪出張中の小山さんと軽部さんに急遽会えるということになり、何とその日から「たこやきらぼ」で働けることに。本格採用の条件は「一ヶ月間でお店の売り上げを上げること」という厳しいものだったが、「どんな企画をやってもいい」と言われた彼は、日夜工夫を凝らし見事その難題をクリアした。「採用まであと○日」と書いたTシャツを自ら作り、それを着て通勤したり、ブログを立ち上げ日々の様子を報告したり……。採用の話ひとつをとっても、ストーリーがあり、サプライズがある。それが、オレンジ・アンド・パートナーズという会社なのだ。
  • 出会いは、一期一会
  • 思いやりの心を育てる
  • 「思いやりのない人に企画は作れない」という軽部さん。感性を豊かにして思いやりの心を育てること。それは、会社として大切にしていることでもある。会社の設立記念日には三ツ星レストランで食事をしたり、社員旅行では強羅花壇に宿泊したり。今年の社員旅行は、「おくりびと」のアカデミー賞授賞式を見学するため全員でロスに行き、受賞の喜びを味わってきた。

    「余裕がないと、思いやりの心は育まれません。それから、個人の知見量を増やすことも大切。企画とは、既知と既知の組み合わせからしか生まれないんですね。つまり、どれだけ知見量が多いのかということと、それをどのように組み合わせることができるのかという感性が大切になってくるんです。」その両方を補うため、会社としてもさまざまな経験の機会を提供しているそう。一流の感性は、1日にしてならず。日々の経験の積み重ねが、豊かな企画力をうみだしている。
  • 思いやりの心を育てる
  • オレンジ・アンド・パートナーズの企画力。それは、“オレンジのバイテン”や採用のエピソードなど、さまざまなところから窺い知ることができる。しかし最もその力を期待してしまうのは、そこで働く人々と出会った時なのかも知れない。軽部さんのお話に、取材に訪れたスタッフ達は、一同すっかり魅了されてしまった。企画をつくるのは、人。その人が魅力的であればあるほど、企画への期待は高まっていくのだろう。
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